エロスの商人 by SAKAI

シャイロックは言った「借金3000ドュカートの代わりとして、精液1ポンドを頂ますよ!」
アントニオは絶望しながら答えた「精液1ポンドなんて・・絶対に不能・・いや、不可能だ・・・」
シャイロックは勝ち誇ったように薄笑いを浮かべながら「しかし、契約は、契約、1ポンドの精液を貰い受けますぞっ!」
シャイロックの目論みは図に当たった。
どんなに絶倫のアントニオでも、精液1ポンドを射精する間に死んでしまうだろう、そうすれば憎憎しいアントニオを抹殺できる、そう考えていたのだった。
裁判官に男装したポーシャは言った「シャイロック君、君には慈悲の心というものが無いのかね!、いくら絶倫で浮名を流したアントニオとはいえ、1ポンドの精液を出す間に死んでしまうだろう!」
無慈悲なシャイロックは答えた「裁判官ともあろうお方が、契約を守らず法律を曲げよとおっしゃるのですか?」
傍聴席からは、シャイロックに対する侮蔑のため息が流れた。
「仕方が無い、1ポンドの精液を出してみましょう!たとえこの身が死にいたろうとも、契約を守ってみせましょう」
そう叫ぶと、アントニオは、やおらズボンを下げ自慰を始めた。

裁判所内には長い沈黙が流れ、広い室内には、アントニオのしこしこ自慰の音と、虚空に飛び散る精液の音だけが、虚しく流れた。
しかし、いかに絶倫のアントニオでも20回も射精すれば、目も虚ろになり、頬も少しこけてきたようだった。
「がんばれ!アントニオ!あと100回も射精すれば、1ポンドだっ!」
長い沈黙を破り、そう叫んだのは、男装のポーシャだった。
そう力強く叫びながら、いきなりポーシャは自分のズボンを下げ、大股を広げ、自らの美しく黒く輝く恥毛と紅の性器を、アントニオに向かって見せ付けた。
おおっ!と、感激とも慟哭ともつかぬ、どよめきが裁判所内に低く響いた!
「さぁ!アントニオ、私の性器を見て、もっと、もっと射精して!あなたならもっと出せるはずよ!」ポーシャは、アントニオの目を見ながら言った。
ポーシャの輝く恥部を見て、アントニオは、もう一度精力が沸々と沸いてくるのを感じた。
「ポーシャ!有り難う!まだまだ射精できそうだっ!1ポンドまで頑張るぞっ!」

また、長い時が経ち、アントニオは射精に励んだ。
「1ポンドまで、あ・・あと、ちょっとだ・・・・・」
朦朧とした意識のなか、必死で自慰をするアントニオだったが、1ポンドの精液をわずかな時間で射精するのは、あまりにも無謀な作業であった。
アントニオは、意識が遠のくのを感じていた。

「も、もう、じゅうぶんだ!やめてくれっい!」
そう叫びながら、傍聴席から立ち上がったのは、アントニオの友人のバサーニオだった。
「アントニオ、もう、やめてくれ、死んでしまうぞ・・・」涙を流しながらバサーニオは言った。
そう叫ぶ彼の両手には、ドロリとした粘着性の白濁した液体が、大切そうに保たれていたのだ。
「アントニオ、私の精液も使ってくれ!恥ずかしながら、ポーシャ美しい性器を見ていたら、射精してしまったのだっ!」
バサーニオが、そう堰を切ったのを最初に、傍聴席のあちこちから喚起の声が響いた。
「俺の精液も使ってくれ!」「俺のも!」
ポーシャの大股開きを傍聴していた男達の性器も、「膨張」していたのだった!

あれよあれよというまに、1ポンド近くの精液が、量りの上の器に溜まっていった。
だが、あと僅か10グラムの精液が足りなかったのだ。
室内には、落胆のため息が、重苦しく流れた。

「ワシの負けだ・・・完全にワシの負けだ・・・・・」
シャイロックが、うなだれながら吐き捨てるように言った。
「アントニオ、もういい、ワシの負けだ、残りの10グラムの精液は、ワシが足してやろう。」
シャイロックの手には、白濁した液体が、10グラムすくわれていた。
「ポーシャの恥部を眺めていたら、この歳になって2回も射精してしまったわい・・・ワシの完敗じゃ・・・・」
ぐったりしながら、シャイロックは手の中の精液を、器に流し込んだ。
そうすると、器ののった量りの目盛は、かっきり1ポンドを指した。
裁判所内には、割れんばかりに歓喜の叫び声が、いつまでも鳴り響いていたのだった。